"みんなでつくろう、これからの医療プロジェクト"
People’s Power flow into Healthcare:PPH
「病気があっても大丈夫と言える社会」の実現に向け、あらゆる人が
立場を超えてこれからの医療を一緒に考え、創っていくためのプロジェクト
お知らせ

【開催報告】みんつくゼミナール2022第2回「PPI(患者市民参画)っていう前に~コミュニケーションのズレをどうするか~」を開催しました

本プロジェクトでは、医療に関わる様々なステークホルダーの相互理解を目的に、「みんつくゼミナール2022」と題してセミナーを開催しています。

今回のゼミナールでは、病気をもつ人や医療従事者、ライフサイエンス企業、関心のある市民の方など100名を超える方にご参加いただきました。

「PPI(患者市民参画)っていう前に~コミュニケーションのズレをどうするか~」

最初に、講師にREADYFOR(株)基金開発・公共政策責任者、広島大学医学部客員准教授(公衆衛生)、一般社団法人メディカルジャーナリズム勉強会代表 市川 衛氏をお迎えし、「PPI(患者市民参画)っていう前に~コミュニケーションのズレをどうするか~」と題してご講演いただきました。

まず、「PPIとは日本語で何のこと?」を何かを参加者に尋ね、「患者市民参画」「プロトンポンプ阻害薬」「生産者物価指数」などのバラバラのコメントが挙がったことを受け、同じ言葉を使っていても、同じ意味を共有できているとは限らない、「どちらも正しい」けれど「ずれている」状態を示していただきました。

言葉の意味は、使う人の教育や環境、状態によって変わり、コミュニケーションのずれは、「正しい」「間違っている」の関係ではないことが多いです。
治験、臨床試験、薬の効果などの大事な単語で、具体的にどのようなずれが生じているかを研究した成果として、「医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き」を紹介していただきました。

ご講演では、「コミュニケーションのずれ」への対応として、2つの対応をご紹介いただきました。
①同じ単語を使っていても、意味が共有できないことがあることを知っておく/重要な単語については、どのような「ずれ」が起きがちか、その対応策を知っておく

「有効性」や「安全性」など、医療関係者(主に医師)と、一般人では理解が異なる単語を紹介していただき、医療関係者、患者市民は、同じ単語を使っていても、意味が共有できないことがありうることを知っておく、医療関係者においては、特に患者・市民参画のうえで重要な単語については、どのような「ずれ」が起きがちか、その対応策を知っておくことが重要だと教えていただきました。

②説得・啓蒙から共感・対話へ
2つ目のずれへの対応として、「啓蒙から対話へ」が示されました。
ワクチン接種における適切な行動変容を促す情報を調べた実験結果を参照し、信じていることを否定されるデータを提示されると、人はその信条をかえってより強く信じてしまうこと、また、「恐怖・不安」を提示されると、文脈に関係なく忌避が高まることが紹介されました。

正しいことを伝えて、分かってもらおうとするアプローチで人を変えることは難しく、コミュニケーションの方法を変える必要があります。
そこで重要なのが、「インサイト(人を動かす隠れた心理)」です。自分がコミュニケーションをとろうとしている相手に理解してもらえない時は、その人の背景にある環境や気持ちに想いを寄せることが、相互理解の鍵であると示されました。

ディスカッション コミュニケーションの「ずれ」に気づき、それを埋めるために必要なことは

ディスカッションでは、市川さんにモデレーターを務めていただき、PPHプロジェクトに参画する様々なバックグラウンドをもつメンバー4名との議論が交わされました。

当事者の立場、ライフサイエンス企業の立場、様々な立場から、実際のコミュニケーションのずれが生じた事例をご紹介しました。

自分の生活を大切にしたい患者と、治療成績を優先する医療者、見えないものを重視する患者とエビデンスなど目に見える根拠を重視する医療者、製薬開発にかかる開発側と患者側の時間軸の認識のずれや、製薬の現場での対話の在り方について紹介されました。そもそもずれ自体は問題なのではなく、ずれを知る・埋めるために対話を行い続けることが必要だという意見や、ライフサイエンス企業のそれぞれの部門の「インサイト」に向き合うことの重要性も提示されました。

それぞれの事例に登場する人物の「インサイト」を想像しながら、ずれをどうすれば埋められたのか、多角的な視点からコミュニケーションのあり方を丁寧に検討しました。

参加者からは、「インサイトに思いを寄せる点は、さっそく実践したい」「医療者として、患者としてどちらの立場においても感じるジレンマやモヤモヤの正体の輪郭が少しクリアになった感じがします」といった声がアンケートで寄せられました。

概念的になりがちなPPIの議論ですが、市川さんの具体的な対応策のご紹介、様々な立場の方からの具体的な事例ディスカッションから、今後のPPIにおける実際的な視点のずれの認識・修正について考える契機となりました。

今後みんつくゼミナールは今後10月、12月に開催予定です。詳細はウェブサイト等でご案内いたします。ご登壇・ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

アーカイブ動画

ただいま準備中です。公開まで少々お待ちください。

開催概要

■開催日時:9月4日(日)13:00~15:00
■開催方法:Zoomウェビナー
■参加費:無料

■プログラム
<講演>:市川 衛氏(READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者、広島大学医学部客員准教授(公衆衛生)、一般社団法人メディカルジャーナリズム勉強会代表)
<ディスカッション>:市川氏の進行により参加者の意見も積極的に取り上げながら、プロジェクトメンバーが、それぞれの立場から「こんな時どうする?」について意見を交わします。

■主催:一般社団法人ピーペック みんなでつくろう、これからの医療プロジェクト
■共催:グリーンルーペ、認定NPO法人希望の会、NPO法人患者中心の医療を共に考え共に実践する協議会(JPPaC)
■協賛:アステラス製薬株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

今後の開催予定

詳細は決定後にピーペックウェブサイトおよび本サイトにてご案内いたします。

第3回 10月16日(日)

思い込みやズレを乗り越えて納得のいく意思決定をするためには?
講師:大野 智先生(島根大学医学部附属病院臨床研究センター教授)

第4回 12月18日(日)
みんなでつくろう、これからの医療プロジェクト ルールブックチーム制作
「病気をもつ人とライフサイエンス企業の協働ガイドブック」を知ろう
第5回 (1月頃)
ペイシェントジャーニーから考える「あの時、必要だったこと」
(全5回のまとめ/タイトル変更の可能性あり)

<形式>  オンライン(アーカイブ動画配信あり)
<参加費>  無料
<対象>  病気をおもちの方、ご家族、患者会(患者支援団体)の方、ライフサイエンス企業の方、医療者、研究者、興味のある市民